反響板
こんにちは! 3回生アルトの石河です。
金木犀の香りをほのかに感じるようになりました。儚く散った落ち葉が足元を彩り、見上げれば空は高く、木々の葉は色づきはじめています。
先日の台風では、東日本を中心に被害が大きかったと聞きます。できるだけはやく、落ち着いて朝を迎えられる日がくることを祈るばかりです。 私は関東出身なので、知り合いの無事を聞いてほっとしました。皆さんも日頃から防災、減災のために可能な限り備えておきたいですね。
さて、季節も秋となり、定演まで2ヶ月とすこし…。 ひびきは今週末、関西混声合唱団連盟(以下、関混連)のレパートリー交歓会を控えています。これは、関混連に所属している6団体が、定期演奏会(以下、定演)で演奏する曲の一部を披露し合う会です。 ひびきは、『青いメッセージ』より「月蝕と花火 序詩」「青イ花」「婆さん蛙ミミミの挨拶」「秋の夜の会話」、『花と風と』より「ありくいながら…」の計5曲を演奏します。
『青いメッセージ』の作詩は、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、草野心平です。 先日、ゼミ活動の折、近くに立ち寄ったので福島県いわき市にある草野心平記念文学館へ足を運びました。車でないと行きづらい場所でしたが、山や森に360度を囲まれた景色は壮観でした(写真あり)。館内には、詩の展示のほか、心平の集めていた石や育てていた生き物、生前開いた居酒屋のレプリカなどがあります。 心平本人の朗読も聞くことができ、「秋の夜の会話」や定演で演奏する「ごびらっふの独白」の朗読を聞き、曲のイメージが広がりました。特に、「ごびらっふの独白」の朗読は、日本語と別の言語が混ざったような発音で、心平の言葉への好奇心を実感しました。発音の独特さは「蛙語」ゆえでもあります。定演ではぜひ耳を傾けてみてください! 各々、詩の解釈に悩みつつアンサンブルに励んでいます。蛙の目線で読まれた、だけど人間である心平が読んだ詩は何度読んでも新鮮です。 最近、一曲目から三曲目まで通して歌ってみたのですが、表現に色をつけることが少しできたように感じました。この順で作曲した高嶋みどりさんの意思を垣間見た瞬間でした。
『花と風と』の詩は、谷川俊太郎と交際のあった岸田衿子によるものです。幼児向けの作品が多いので、詩はどれもわかりやすく、ときにおもしろいです。「ありくいながら…」は、『どうぶつかるた』という作品から詩が抜粋されており、いろいろな動物や生きものが顔を出す作品です。落ち着いて読むと情景が浮かび楽しいのですが、くるくると変わる曲調についていくのに必死で、歌うときはつい詩の絵を忘れてしまいます。 先日、ボイストレーナーの高嶋先生から、「かわいらしい詩なのだから、アニメーションを想像して歌う」ことや「音量調節は平面ではなく立体的に、紙芝居でくるくると場面が変わるようなイメージでやってみる」ことを指導していただきました。「ありくいながら…」では、曲調や詩の場面が次々に変化していきます。紙芝居というイメージは分かりやすく、作品づくりが楽しくなってきました(^^) 定演では、伴奏にも注目しながら、詩や歌をお楽しみください!
文中、定演にいらっしゃることを前提のように話した節がありますが、これは意図的です(=゚ω゚)ノ ☆12月28日(土) ☆16時開場.16時30分開演 ☆豊中市文化芸術センター にて、ひびきの第52回定期演奏会を行います!ぜひ年末の楽しみに、いらっしゃってくださいませ。団員一同、お待ちしています!
ここまで読んでくださりありがとうございます。 私は一年間、ひびきを離れていましたが歌が好きで戻ってきました。ひととなにかを合わせることは苦手なのに、なぜ合唱がたのしいのか、いまだ答えは出ていません。答えを出すより前に、歌ってしまいます。 いま、ひびきに集う団員と歌うことのできるよろこびを胸に、定演まで駆け抜けていきます。
気温がぐんと低くなってきました。みなさま、どうかご自愛くださいませ。
草野心平記念文学館からの眺め。ススキが揺れていました。